うぐいすハーモニカ

日記というより備忘録。何を書いても結局ミッチーこと及川光博氏の話をしてしまう系ベイベー。らぶ。

MIU404について。

最終回をリアタイし、数時間経った今もまだドキドキしている次第です。なんというか、アンナチュラルの時もなかなかの衝撃を受けたのですが、今回も凄いものに立ち会ってしまったような…!

 

以下、どこか浮遊感を覚え続けている中でフガフガ感想を綴りますが、当然のようにネタバレを含みますので、まだ見ていない方は今すぐ帰ってください!!まっさらな気持ちで観てほしすぎてつい声を荒らげてしまうレベル。念のため、これは紹介記事ではなく、燃え&萌えポイントを叫ぶだけの記事ですので、全話視聴済みの人でないと読み解けないと思います。語彙的な意味で。

 

 

正直、1話時点では、ここまで夢中になるとは思いませんでした。もちろん、話はめちゃくちゃ面白いんです。でも、確かあの頃はまだ「次回も楽しみだなー!やっぱ野木さん(脚本)最高だなー!」ぐらいの、いたってまともなテンションでした。いつからだったかな、「うおおおおお次回はまだかーーー!!!来週はいつだーーー!!!!(?)」と毎週発狂するようになったのは。

あれかな、多分3話か4話。志摩が人生の「スイッチ」の話をした辺り。これまで杓子定規の擬人化みたいに生真面目だった九重くんが、ポロッと方言を溢した辺り。この辺から、4機捜の中で確かな絆が芽生え始めたのだと思われます。というか、単に私の中で4機捜全員を深く愛せるようになったタイミングがここなのかも。とにかく、ただでさえ面白い脚本に、愛おしいキャラクター達が乗っかるわけだから、そりゃあ狂いますよ。

志摩の疑り深さ、伊吹の愚直さ、陣馬さんの熱苦しさ、九重くんの生真面目さ…えらいもので、最初は短所に見えていた性格が、話が進むにつれて頼もしいほどの長所に見えてくるんですよね。と書いてて気付きましたが、桔梗さんは特に短所がなかったような気がする。さすが隊長。ラストスピーチもカッコよすぎたしなあ…しゅき…

 

ストーリーもね…ほんと良いんですよ…巧みな展開で感情を揺さぶられ、痺れるセリフで価値観を揺さぶられ、丁寧な伏線回収で脳味噌を揺さぶられ、最終的に「すげー!」botにされる訳ですよ。しかも毎話。なんだ唯の天才か。知ってた。

基本的に、どの話も女性や子ども、外国人労働者など、社会的弱者に寄り添った内容になっているのも良い。あとは、SNSの恐ろしい使い方や、裏どりなしでの情報拡散が生む悲劇も、強めのメッセージとして盛り込まれていました。こういった酷すぎる実情に憤ったり、失望させられたりしつつ、最後に希望という救いをくれる。そのカタルシスが溜まりません。

 

またキャラの話に戻ります。あんなに凸凹で反発しかしてなかった404&401コンビが、最終的にそれぞれベストパートナーになってるのエモすぎませんか。

最終回にて、志摩と伊吹は、船内でドラッグに侵されバッドトリップして、最悪の夢を見るわけですが、それぞれ夢の中でも自己犠牲を厭わず相棒を助けることしか考えてなかったのがもう泣ける。

この窮地を救ったのが、陣馬さんと九重くん。重体でなかなか目覚めない陣馬さんに、最初はいつもどおり敬語で語りかけていた九重くん、いつの間にか心細げなタメ口になり、方言になり…いやあ、泣くに泣いたね。そこで目覚めた陣馬さんが軽口を叩くのも頼もしカッコいい〜泣いた〜わーんもうダメだ〜!(感極まって語彙が尽きた)。

そうして九重くんが志摩と伊吹にくれた喜びの一報が、「スイッチ」となるわけです。バイブ機能により、落っこちたスマホの音で、先に悪夢から覚めた伊吹が、志摩を起こし、2人で無事船から脱出するわけです。かつて成川少年という小さな球を取りこぼし悔いていた九重くんが、偶然とはいえ、今回正しく導く方向の「スイッチ」を押してくれたわけです。また伊吹は3話の時と同じく、寝起きでもちゃんと「球」をキャッチしてくれるわけです。胸熱すぎて全然エンディングまだなのに既にスタンディングオベーション状態です。

 

ラスボスである久住は、最後まで掴みどころのないキャラクターでしたが、そこが凄く良かった。自らにゴミを意味する偽名ばかり使う所も、「自分以外はみんな死ねば良い」とあっけらかんと言い放つ様子も、スラスラと淀みなく泉のごとく湧いてくる屁理屈も、底知れない不気味さがあります。人間の悪意を具現化したものが、たまたま人間の形をしている感じ。

結局、自ら撒いたドラッグに首を絞められる形になったのは痛快でしたね。まさに因果応報。全ての犯罪者にはこうあってほしいです。これまで他人を人形呼ばわりして見下していた久住でしたが、抵抗を諦めてなすがままになったその姿はまさに人形で、菅田将暉氏すげえとなりました(語彙の突然死)。生い立ちや動機を一切語らず、「俺はお前達の物語にはならない」と貝になったのもゾクッときた。野木さんの、サイコパスの事情なんざ知ったこっちゃないという姿勢が、世の理不尽な犯人への毅然とした抵抗に思えて、クールでした。

そして、ずっと2019年の世界を描いていたこのドラマが、最後に2020年の夏に追いつきます。新型コロナウイルスによる「スイッチ」で、オリンピックが行われなかった、我々と同じ世界線。そうして最後の最後に表示されたサブタイトルは「ゼロ」。奇しくも国立競技場の屋根と同じ形をしたそれは、またゼロから始めていこう、という我々視聴者への力強いエールでした。ねえこれ凄くない???こんな壮大なラスト見せられたら、そりゃあ狂いますよ。冒頭でも述べましたが、凄いものに立ち会ってしまった。まだ興奮してますもん。

なんかね、私もずっと思ってたんです。今の世の中が、パラレルワールドみたいだなって。これまで当たり前だった日常が、急に全部遠いものになってしまって。窮屈な違和感のほうが、いつの間にか当たり前になってきていて。そんなモヤモヤをピタリと代弁してくれたような、気持ちの良いラストでした。最高。

 

 

よし、以上です。や、ほんとは全然語りきれてないんですが、多分これキリない。濃すぎてキリない。

最後に、Twitterで見かけた話を。最終回当日の日中に行われていたワイドショーでの番宣ラッシュ。そこで志摩と伊吹が着ていた服が、劇中2020年の車内に居た2人のそれと同じだったことに胸を熱くしつつ終わります。これまで前作のアンナチュラルの世界とも何度かクロスオーバーを見せてくれていたのも最高だったのですが、何その現実とのクロスオーバー!超最高!では、また。